
大型犬は強そうに見えますが、寒さに強い犬種ばかりではありません。
特に短毛種(ラブラドール・ドーベルマンなど)は冷えに弱く、体温低下は命に直結します。
冬キャンプは「楽しさ」よりも防寒・安全を最優先に準備します。
1. 体温低下(低体温症)に注意

危険ライン
・気温5℃以下
・強風あり
・地面が凍結
大型犬との冬キャンプで一番こわいのは「寒さ対策不足」による低体温症です。
気温が5℃より下がり、風が強く、地面が凍っているときは特に注意が必要です。
犬は人よりも地面に近い場所で過ごします。
そのため、体の熱がどんどん地面にうばわれてしまいます。
とくに30kg以上の大型犬は体が大きく、地面にふれている面も広いため、冷えの影響を強く受けます。
犬がブルブル震えたり、元気がなくなったら危険サインです。
そのままにすると体温がどんどん下がり、命にかかわることもあります。
対策
防寒マット+厚手ブランケット
コットで地面から10〜20cm離す
風除けタープ設置
震え・元気消失が出たら即保温
対策はシンプルです。
まず、防寒マットを敷き、その上に厚手のブランケットをかけます。
さらにコットを使って地面から10〜20cm離すと、冷気を大きく防げます。
風がある日はタープで風よけを作ることも重要です。
「地面から離す・風を防ぐ・すぐ保温する」この3つを守れば、冬キャンプのリスクは大きく減らせます。
→大型犬用防寒マットおすすめ
選び方のポイント
- 大型犬の場合はXL以上のサイズを必ず選ぶ。30kg超でも体が全部乗るスペースが必要です。
- 防水性(撥水)+厚手素材は結露・雪・冷気対策として必須。
- セルフヒーティング方式は電源不要でキャンプ向き(電気ヒーター不要)。
- 予算↓ならフリース・ブランケット系、本気保温ならセルフヒーティング系を選ぶ。
→大型犬用ブランケットおすすめ
選び方のポイント
- サイズ最優先:体全体が覆えるXL〜大判サイズを選ぶ。
- 素材の厚さ:冬は厚手フリースやボア素材が熱を保ちやすい。
- 機能性:防水・撥水があると雪や結露でも快適。
- 使い方に合わせる:地面用・かける用・持ち運び用で複数枚あると安心。
2. 朝晩の急激な冷え込み

冬キャンプで大型犬にいちばん多いトラブルは「朝晩の急な冷え込み」です。
昼間は10℃あっても、夜になると0℃近くまで一気に下がることがあります。
気温差が5℃以上ある日は特に注意が必要です。
人間は上着を着れば調整できますが、犬は自分で服を選べません。
とくに体重30kg以上の大型犬は体が大きい分、体温が下がると回復にも時間がかかります。
夜は絶対に外へ放置せず、必ずテントの中かクレートの中で管理してください。
外気にさらされると、地面からの冷えと夜露で体温が急激に下がります。
寝る場所には厚手マットを敷き、その上にブランケットをかけると安心です。
さらに効果的なのが湯たんぽです。
ただし、犬が直接かじれないカバー付きタイプを必ず使用します。
低温やけど防止のため、タオルで包んで足元に置きましょう。
「寒暖差5℃以上・夜間は室内管理・保温アイテム使用」この3つを守ることが命を守るポイントです。
③ 雪・霜による足トラブル

冬キャンプで見落としがちなのが「雪や霜による肉球トラブル」です。
凍った地面や雪の上を歩くと、肉球は強い冷たさと刺激を受けます。
大型犬は体重30kg以上あることも多く、足にかかる圧力も大きいため、ダメージが出やすいです。
とくに朝は地面が霜でカチカチに凍っています。
起こりやすい症状
・ひび割れ
・出血
・しもやけ
起こりやすい症状は、ひび割れ、出血、しもやけです。
ひび割れは乾燥が原因で起こります。
そこから出血すると、歩くたびに痛みが出ます。
しもやけになると赤く腫れて、触ると嫌がることもあります。
散歩や遊びのあとは、必ず足をやさしく拭いてしっかり乾かしてください。
雪が溶けた水分を放置すると、冷えと乾燥が進みます。
そのあとに犬用の保湿クリームで肉球ケアを行います。
そして、雪の上に長時間いさせないことが最大の予防です。
目安は1回20〜30分以内。こまめにテントへ戻し、足の状態を確認しましょう。
「拭く・乾かす・保湿する」この3つを徹底することが、大型犬の足を守る基本です。
→大型犬の肉球ケアおすすめ
選び方のポイント
- 大型犬は塗る面積が広いので容量が多いタイプ(60g〜)が便利です。
- 雪や霜が多い冬キャンプ時は、保湿+滑り止め効果のあるクリームを選ぶとダメージ軽減に役立ちます。
- 初めてなら**コスパの良い定番系(天然みつろう等)**で始めるのがおすすめ。
④ 乾燥対策も重要

冬キャンプでは「乾燥対策=水分補給」がとても重要です。
冬は空気がカラカラに乾きます。
寒いとあまりのどが渇かないため、水を飲む量が減りがちです。
でも、大型犬は体が大きいぶん、体の中で使う水分も多くなります。
体重30kgの犬なら、冬でも1日に約1.5L前後の水が目安です。
これは500mlのペットボトル3本分です。
水をしっかり飲まないと血の流れが悪くなり、体が冷えやすくなります。
血液は体の中で熱を運ぶ大切な役目があります。
水分が足りないと、その働きが弱くなってしまいます。
すると手足の先まで温まりにくくなります。
寒い日に冷たい水を出しても、犬はあまり飲みません。
そんなときは、人肌くらいのぬるま湯(約30〜35℃)を与えると飲みやすくなります。
キャンプでは魔法瓶にぬるま湯を入れておくと便利です。
「1日1.5Lを目安に、ぬるま湯でこまめに水分補給」これが冬の冷え対策の基本です。
⑤ 車内放置は冬も危険

冬でも車の中に大型犬を放置するのは危険です。
「冬だから大丈夫」と思ってしまいがちですが、それは大きな間違いです。
外の気温が5℃でも、夜になると氷点下まで下がることがあります。
エンジンを止めた車の中は、外の気温とほぼ同じか、それ以上に早く冷えていきます。
金属でできた車は熱を逃がしやすく、あっという間に冷たい空間になります。
大型犬は体が大きいので寒さに強そうに見えますが、長時間冷たい場所にいると体温がどんどん下がります。
特に寝ている間は動かないため、体が温まりにくくなります。
低体温症になると、震え・元気がなくなる・動かなくなるなどの症状が出ます。
夏は高温で危険ですが、冬は低温で命に関わる危険があります。
どちらの季節でも車内放置は安全ではありません。
夜間は必ずテント内や暖かい場所で一緒に過ごすことが鉄則です。
「冬でも車内放置はNG」と覚えておきましょう。
⑥ 焚き火・ストーブ事故

冬キャンプでの焚き火やストーブは、大型犬にとって大きな事故リスクになります。
リスク
・毛が燃える
・コードを引っ張る
・一酸化炭素中毒
冬は寒いため、焚き火や石油ストーブ、ガスストーブなどの暖房器具を使います。
でも、大型犬は体が大きく、しっぽも長いので、気づかないうちに火に近づいてしまうことがあります。
すると毛が燃えたり、やけどをする危険があります。
また、電気ストーブの場合はコードを踏んだり、引っ張ったりして倒してしまうこともあります。
倒れたストーブは火事の原因になります。
さらに怖いのが、一酸化炭素中毒です。
テントの中で換気をせずに暖房を使うと、目に見えない有毒ガスがたまり、犬も人も命に関わります。
大型犬は好奇心が強く、暖かい場所に自然と近づきます。
だからこそ、暖房使用中は必ずリードを短めにして管理します。
自由に歩き回らせないことが大切です。
さらに安全なのは、暖房中はクレート内で待機させることを基本にすることです。
これが事故を防ぐ一番確実な方法です。
「火のそばでは自由にさせない」これが冬キャンプの鉄則です。
⑦ 犬種別注意点

「大型犬=寒さに強い」は大きな誤解です。
大型犬でも寒さへの強さは犬種によって大きく違います。
冬キャンプ前に、必ず下の表で確認してください。
| 犬種 | 寒さへの強さ | 理由 | 冬キャンプ対策レベル |
|---|---|---|---|
| シベリアンハスキー | 強い ★★★★★ | 極寒地域原産・厚いダブルコート | 基本対策でOK |
| サモエド | 強い ★★★★★ | 防寒性の高い被毛・雪国原産 | 基本対策でOK |
| ラブラドール | やや弱い ★★☆☆☆ | 被毛はあるが雪国原産ではない | 防寒マット+ブランケット必須 |
| グレートデン | 弱い ★☆☆☆☆ | 短毛・皮下脂肪が少ない | 防寒着+室内管理必須 |
| ドーベルマン | 弱い ★☆☆☆☆ | 短毛・寒さに非常に弱い | 防寒着+クレート管理必須 |
「大型犬=寒さに強い」は間違いです。
寒さに強いのは“雪国原産で厚い被毛を持つ犬種”だけです。
たしかに、大型犬の中には寒さにとても強い犬種がいます。
たとえば、シベリアンハスキーやサモエドです。
これらの犬は雪の多い国で生まれた犬で、厚いダブルコートという毛に守られています。
氷点下でも元気に動ける体のつくりをしています。
しかし、すべての大型犬が寒さに強いわけではありません。
ラブラドール、グレートデン、ドーベルマンは寒さに弱いタイプです。
毛が短かったり、皮下脂肪が少なかったりするため、冷たい空気の影響を受けやすいのです。
特にグレートデンやドーベルマンは、気温5℃以下で震えることもあります。
寒さに弱い犬種は必ず防寒着・厚手マット・テント内管理をセットで行います。
冬キャンプは犬種別対策が命を守ります。
冬キャンプ安全チェックリスト
□ 防寒マット(断熱タイプ)
□ コット(地面から10cm以上離す)
□ 厚手ブランケット
□ 横幕付きタープ
□ スカート付きテント
□ 30cm以上の鍛造ペグ
□ 犬用防寒ウェア
□ 湯たんぽ(直接触れない配置)
□ 水1.5~2L以上(30kg基準)
□ 倒れにくい大型犬用食器
□ 足拭きタオル3枚以上
□ 肉球保湿クリーム
□ クレート(夜間管理用)
□ 夜間気温5℃以下なら防寒強化
□ 風速5m以上なら横幕必須
上記のチェックリストをダウンロードできます。
このチェックリストを印刷して、出発前に一つずつ確認しましょう。
忘れ物を防ぐことが、冬キャンプの安全につながります。
特に防寒対策は「足りない」より「少し多め」が安心です。
愛犬は寒さを言葉で伝えられません。だからこそ、飼い主の準備が命を守ります。
しっかり備えて、安全に、そして楽しく、冬の思い出を作りましょう。
下記のリンクをクリックするとダウンロードできます。
まとめ
冬キャンプは静かで空気が澄み、魅力があります。
しかし、寒さは静かに体力を奪います。
大型犬は我慢強いため、限界までサインを出しません。
「まだ大丈夫」ではなく、
**“少し過剰なくらいが安全基準”**です。
装備=命を守る準備。
安全を整えてこそ、本当に楽しい冬キャンプになります。

