
大型犬の無駄吠えは、ただ「やめさせる」だけでは改善しません。
まずはなぜ吠えているのかを知り、最適な対応を選ぶことが大切です。
この記事では、原因→対処法→実践ステップ→場面別対応までをまとめて解説します。
1|まずは原因を知る
原因チェック表はこちら
犬の無駄吠えには、いくつかの原因があります。
当てはまる理由を知ることで、適切な対応が見えてきます。
代表的な吠える原因は次の通りです:
- 警戒・守ろうとしている(知らない人や他犬に反応)
- 恐怖・不安からの吠え(大きな音や場所の変化など)
- 要求吠え(注意・ごはん・散歩を求めてる)
- 退屈・運動不足
- ストレスや環境変化(留守番・生活リズムの乱れ)
これらの理由を見極めると、対応がぐっとやりやすくなります。
2|原因別・無駄吠えの正しい対処法
原因別・無駄吠えの正しい対処法一覧表
| 無駄吠えの原因 | こんなときに吠える | 正しい対処法 | やってはいけないこと |
|---|---|---|---|
| 怖い・不安 | 知らない人や音に反応する | 安心できる距離を保つ/飼い主が落ち着く/静かな瞬間をほめる | 怒鳴る/無理に近づける |
| 警戒・防衛 | 来客・チャイム・窓の外 | 飼い主が先に対応する/落ち着いた声で伝える/定位置を作る | 一緒に慌てる/毎回同じ対応 |
| 退屈・運動不足 | ヒマな時間が多い/テンションが高い | 散歩の質を上げる/知育遊びを取り入れる | 散歩をサボる/放置する |
| 要求 | ごはん・散歩・かまってほしい | 吠えている間は反応しない/静かになったら応える | 吠えたら要求をかなえる |
| ストレス・体調 | 最近吠えが増えた/落ち着かない | 生活リズムを整える/休める場所を作る/必要なら病院へ | 性格のせいにする/無理に抑える |
【表の見方のポイント】
この表で一番大切なのは、
「原因によって対応がまったく違う」ということです。
同じ「吠える」でも、
理由が違えば、正解も違います。
① 怖い・不安が原因の無駄吠え
知らない人、音、場所に対して吠えるタイプです。
正しい対処法
- 安心できる距離を保つ
- 無理に近づけない
- 飼い主が落ち着いて行動する
- 吠えていない一瞬を見つけて静かにほめる
このタイプは
「怖いよ」「どうしたらいいの?」と伝えています。
やってはいけないこと
- 大きな声で叱る
- 引っぱって近づける
- 抱き上げて逃げるだけ
叱ると
「やっぱり怖いことだった」と覚えてしまいます。
②警戒・守ろうとしている無駄吠え
来客、チャイム、窓の外に吠えるタイプです。
正しい対処法
- 吠える前に飼い主が対応する
- 「大丈夫だよ」と落ち着いた声で伝える
- 吠え止んだ瞬間にしっかりほめる
- 定位置(ハウス・マット)を作る
この子は
家族思いで責任感が強いことが多いです。
やってはいけないこと
- 一緒になって慌てる
- 「うるさい!」と怒鳴る
- 毎回同じ流れで来客対応する
毎回同じだと
「吠える仕事」だと覚えます。
③ 退屈・運動不足が原因の無駄吠え
エネルギーが余っているタイプです。
正しい対処法
- 散歩の質を上げる(時間より内容)
- 匂い嗅ぎ・考える遊びを入れる
- 家の中でできる知育遊び
- 吠える前に体を動かす習慣
大型犬は
体だけでなく頭も使う犬です。
やってはいけないこと
- 散歩を短時間で済ませる
- ずっと家に閉じ込める
- 「そのうち静かになる」と放置
放置すると
吠えが自己発散の手段になります。
④ 要求が原因の無駄吠え
「吠える=お願い」になっているタイプです。
正しい対処法
- 吠えている間は反応しない
- 静かになった瞬間に要求をかなえる
- 吠えなくても要求できる方法を教える
- ルールを家族全員で統一する
このタイプは
とても頭がいい大型犬に多いです。
やってはいけないこと
- 吠えたらごはんを出す
- 吠えたら声をかける
- 人によって対応を変える
一度でも成功すると
「吠えればOK」と学習します。
⑤ ストレス・体調が原因の無駄吠え
最近増えた吠えは要注意です。
正しい対処法
- 生活リズムを見直す
- 留守番時間を減らす工夫
- 安心できる寝場所を作る
- 気になる場合は獣医師に相談
大型犬は
我慢強い分、限界まで我慢します。
やってはいけないこと
- 「性格の問題」と決めつける
- 年齢のせいにする
- 無理にしつけで抑え込む
体の不調を
吠えで伝えていることもあります。
3|吠えを改善するステップ
無駄吠えは、
「すぐ止める」ものではなく、
順番どおりに減らしていくものです。
このステップ通りに進めてください。
ステップ① 原因を一つだけ決める
まず、原因チェック表と対処法一覧表を見て、
一番当てはまりそうな原因を一つだけ選びます。
「全部当てはまる気がする…」
そう感じても大丈夫です。
最初は
一番よく吠える場面の原因だけでOKです。
ステップ② 吠える直前の行動を観察する
次にやることは、
吠えた瞬間ではなく、吠える直前を見ることです。
- 耳はどうなっている?
- 体は固まっている?
- 飼い主の方を見ている?
- 外をじっと見ている?
ここが分かると、
先回りした対応ができるようになります。
ステップ③ 「吠えない時間」を作る
無駄吠え改善のコツは、
吠えたあとではなく、吠えない時間を増やすことです。
たとえば
- 来客前に落ち着く場所へ誘導
- 散歩後のリラックスタイムを作る
- 要求吠えの前にこちらから声をかける
「吠えなかった時間」を
成功体験として積み重ねます。
ステップ④ 吠え止んだ瞬間を必ずほめる
大型犬は、
吠え続けているときは学習できません。
吠え止んだ
その「一瞬」が最大のチャンスです。
- 静かに名前を呼ぶ
- 優しく声をかける
- 落ち着いたトーンでほめる
大げさにしなくて大丈夫です。
ステップ⑤ 生活リズムを見直す
どんな原因でも、
生活の土台が整っていないと改善しません。
見直すポイントは
- 散歩の時間と内容
- 寝る時間
- 留守番の長さ
- 家の中での居場所
大型犬は
安心できる毎日があると、吠えにくくなります。
ステップ⑥ 家族全員で対応をそろえる
これが一番大事で、一番難しいところです。
- 吠えたら無視する人
- 吠えたら声をかける人
これが混ざると、
犬は混乱して吠え続けます。
「吠えたときはこうする」
家族で一つだけ決めてください。
ステップ⑦ 小さな変化を見逃さない
改善は、
ある日突然ではありません。
- 吠える回数が減った
- 吠える時間が短くなった
- 反応がゆっくりになった
これ全部、立派な進歩です。
できたことに目を向けると、
飼い主の気持ちも楽になります。
4|シーン別・無駄吠え改善マニュアル
シーン別・無駄吠え改善マニュアル一覧表
| シーン | よくある吠え方 | 主な原因 | 正しい対応 | やってはいけないこと |
|---|---|---|---|---|
| 来客 | チャイムで吠える/玄関で止まらない | 警戒・責任感・不安 | 来客前に定位置へ誘導/飼い主が先に対応/吠え止んだ瞬間をほめる | 怒鳴る/一緒に慌てる/いきなり会わせる |
| 散歩 | 他犬・人・自転車に吠える | 怖さ・興奮・距離の近さ | 吠えない距離を取る/意識を切り替える/落ち着いた歩きを作る | 無理に近づける/引っぱる/叱る |
| 留守番 | 出かける時に吠える/鳴き続ける | 不安・寂しさ・予測できない怖さ | 出かける前を静かにする/短時間外出の練習/安心できる環境作り | 大げさな声かけ/帰宅直後に構いすぎる |
【この表の使い方】
この表は、
「吠えたあとに見るもの」ではありません。
- 吠えやすいシーンを決める
- 原因を確認する
- 正しい対応を先に用意する
この順番で使うと、
吠える前に手を打てるようになります。
【表を使うときのコツ】
- 一度に全部やろうとしない
- まずは一つのシーンだけ
- できた日は「今日はOK」と考える
大型犬の無駄吠えは、
ゆっくり減っていくものです。
🛎 来客時の対応
| 状況 | 改善アプローチ |
|---|---|
| チャイムで吠える | 飼い主が先に対応/安心できる指定場所へ誘導 |
| 玄関前で吠え続ける | 吠え止んだ瞬間をほめる/無理に触らない |
「来客=緊張・守るべき瞬間」なので、先に飼い主が行動を取るのが有効です。
よくある吠え方
- インターホンで吠える
- 玄関に人が来ると止まらない
- 興奮して走り回る
これは
**「守らなきゃ」「どう対応すればいいかわからない」**気持ちです。
改善ステップ
① 来客前に居場所を作る
来客が来る前に、
**安心できる定位置(マット・ハウス)**へ誘導します。
② 飼い主が先に対応する
チャイムが鳴ったら、
犬より先に人が動くことが大切です。
③ 吠え止んだ瞬間をほめる
完全に静かでなくてもOK。
一瞬止まったところを見逃さずほめます。
④ 落ち着いたまま対面させる
無理に会わせず、
落ち着いた状態が作れてからにします。
🚶 散歩中の対応
| 状況 | 改善アプローチ |
|---|---|
| 他犬に吠える | 距離を保つ/意識を切り替える |
| 人や車に反応する | ゆっくり歩く/声をかけて集中させる |
散歩は刺激がたくさんあります。
少しずつ「静かな散歩」に成功体験を積ませましょう。
よくある吠え方
- 他犬を見ると吠える
- 人や自転車に反応する
- 興奮して引っぱりながら吠える
これは
怖さ・警戒・興奮が混ざった状態です。
改善ステップ
① 吠える前に距離を取る
無理に近づかず、
吠えない距離を見つけます。
② 飼い主に意識を向ける
名前を呼ぶ、方向を変えるなど、
見る対象を切り替えます。
③ 落ち着いた歩きを作る
早歩き・引っぱりすぎはNG。
ゆっくり歩く時間を意識します。
④ 吠えなかった経験を積む
吠えなかった散歩は、
大成功の散歩です。
🏠 留守番中の対応
| 状況 | 改善アプローチ |
|---|---|
| 出かける前に吠える | 淡々と出かける練習 |
| 鳴き続ける | 安心できる環境づくり/短い外出トレーニング |
留守番が苦手な犬は「不安から吠える」ことも多いため、安心できる環境が重要です。
よくある吠え方
- 家族が出かけると吠える
- 長時間鳴き続ける
- 帰宅後も興奮が続く
これは
不安・寂しさ・予測できない怖さが原因です。
改善ステップ
① 出かける前を静かにする
声をかけすぎず、
淡々と準備するのがポイントです。
② 出かける練習をする
短時間の外出を繰り返し、
「必ず戻る」を教えます。
③ 安心できる環境を整える
寝床・におい・明るさを安定させ、
落ち着ける空間を作ります。
④ 帰宅後はすぐ構わない
興奮が落ち着いてから、
ゆっくり再会します。
5|環境改善も忘れずに(補足対策)
吠えの原因には、環境も大きく関係します。
窓から見える外の刺激を減らす、音を穏やかにするなどの工夫はトレーニングを助けます。
たとえば:
- カーテンやフィルムで外の視線を遮る
- 静かな音楽やホワイトノイズを流す
- 落ち着けるスペースを用意する
また、
- 叱らない
- 慌てない
- 先回りする
- 静かな瞬間をほめる
大型犬は
家族の空気をそのまま映す犬です。
6|まとめ:改善は「理解」「対応」「積み重ね」
無駄吠えは、
叱る・叱らないだけでは解決しません。
大切なのは:
✔ 原因を理解する
✔ 状況に合った対応をする
✔ 静かな時間を増やす工夫を積み重ねる
これらを続けることで、
大型犬の無駄吠えは確実に減ります。
そして、家族にとっても犬にとっても、より安心できる毎日が訪れます🐕✨


